体験教室やワークショップ、アクティビティのように「予約が入って初めて売上になる」ビジネスでは、集客の良し悪しがそのまま経営の数字に出ます。ポータルサイトの掲載料や広告費を払い続けないと予約が止まる、という状態で相談をいただくことは少なくありません。

今回取り上げるのは、東京・浅草でコインリング(硬貨から指輪をつくる)の製作体験を提供している RAGTIME COIN FACTORY様のSNS運用代行です。InstagramとTikTokの2媒体を約7ヶ月運用し、広告は一度も使っていません。

運用アカウント:instagram.com/coin_de_ringtiktok.com/@coin_de_ring

この記事でわかること

  • ① 体験予約型のビジネスで、集客の入口を自前で持つという考え方
  • ② 商品でも工程でもなく「来てくれた人の物語」を撮る型
  • ③ 月8本でも平均8.7万回再生になった理由と、出た数字

①課題|予約は入るが、集客が「その日の運」に左右される

体験型の店舗は、飲食店のように通りがかりのお客様がふらっと入ってくるビジネスではありません。ほとんどのお客様は、事前に存在を知り、日時を決めて予約するという手順を踏みます。つまり、店を知ってもらう入口がなければ、体験の内容がどれだけ良くても予約は増えません。

一方で、その入口を広告やポータルサイトに頼ると、掲載を止めた瞬間に予約が止まります。手数料や掲載料は予約が入るたびに、あるいは毎月固定で発生し続け、続けるほど利益を圧迫します。

ご相談をいただいた時点の課題は、まさにこの「集客の入口を自前で持てていない」という点にありました。そこでご提案したのが、InstagramとTikTokの2媒体で、広告費をかけずに予約の入口をつくる運用です。

広告と違い、投稿はアカウントに残ります。気になったユーザーは予約する前に判断材料としてアカウントを見に来るので、そこで「行ってみたい」と思ってもらえるかどうかが、そのまま予約の後押しになります。

②施策|商品ではなく「誰が、誰のために来たのか」を撮る

体験系のSNS運用でよくある失敗が、完成品のきれいな写真や、作業風景をただ流すだけの動画を投稿し続けることです。見た目は整っていても、視聴者にとっては「ふーん」で終わり、最後まで見てもらえません。

このアカウントで軸に据えたのは、商品でも作業工程でもなく、実際に来店されたお客様の物語でした。

実在する人の、具体的な事情ほど強い

「元カノに捧げるコインリング」「彼女のために指輪をつくりに来た大学生」「台湾から旅行で来たカップル」。その日その場に居合わせたお客様が、誰のために、どんな気持ちで指輪をつくりに来たのかを冒頭で言い切ります。同じ工房、同じ撮り方でありながら、この型の動画から20万回以上再生される回が何本も出ました。

コインリング製作体験の様子を一人称視点で撮影した動画のカット
冒頭のひと言で「誰が、誰のために来たのか」を言い切る。工房も撮り方も毎回同じで、変えているのはそこだけ。

「カップルにおすすめです」のような一般的な言い方では、数字は動きませんでした。目の前のお客様の事情を具体的に言い切ったときに、再生数が跳ね上がります。自分の状況に重ねられるかどうかが分かれ目です。

タイトルで約束したことを、本編で見せる

冒頭のひと言で興味を持ってもらっても、その話が本編に出てこなければ視聴者は離脱します。タイトルで提示した内容を本編できちんと見せること。そして、つい口を挟みたくなる設定にしておくこと。この2つが視聴維持とコメントにつながりました。

月8本。本数より、1本ごとの設計

投稿量は月8本で、毎日投稿はしていません。本数を追うのではなく、1本ごとに「誰の、どんな話か」を決めてから撮影に入ります。撮るものが決まっていない状態で現場に行くと、結局は工程を流すだけの動画になります。

③成果|1日あたりの予約が約1.27倍、7ヶ月で490万回再生

+27.6%

1日あたりの予約数(広告費ゼロ)

490万回

TikTok総再生数(56投稿)

8.7万回

TikTokの1本あたり平均再生数

3,404

TikTokフォロワー(Instagram 1,863人)

RAGTIME COIN FACTORY様での実績(運用7ヶ月目・56投稿時点)。成果を保証するものではありません。

1本あたり平均およそ8.7万回再生という数字も、この事例では大きいところです。56本で490万回。浅草を訪れる観光客や、指輪づくりに関心のある層に対して、広告費をかけずにこれだけの露出をつくれたことが予約数を支えました。

運用前52日間の1日あたり予約数

100%

運用後52日間の1日あたり予約数

127.6%

1日あたりの予約数の変化。運用前を100として比較している。

数字の読み方について、ひとつ補足があります。比較しているのは運用前の52日間と運用後の52日間で、冬(1〜2月)から春(2月下旬〜4月)をまたぐため、季節の差も含まれています。増加のすべてがSNSによるものとは言えません。

それでも確かなのは、掲載を止めれば消える広告ではなく、残り続ける投稿が予約の入口になったことです。

お客様の声

運用を担当させていただいている工房様から、次のようなお声をいただいています。

御社のSNSをみて予約してくれたお客様はかなり多く、実際に広告などなしで安定した予約数を確保できております。

「どのような事業者におすすめしたいか」という質問には、こうお答えいただきました。

SNSから集客を得て、その受け皿として予約や来店に対応の出来るお店などにお勧めです。

SNSはあくまで知ってもらう入口で、そこから予約・来店までスムーズに受け止められる体制があって初めて売上に変わります。この指摘はそのとおりだと思います。

この事例から言える、体験予約型ビジネスのSNS運用のポイント

1. 撮るべきは商品ではなく、来てくれた人の物語
完成品の美しさは、どの店も同じように発信しています。差がつくのは、その日その場にいたお客様が誰のために来たのかという、自分ごとにできる部分です。

2. 毎日投稿より、1本ごとの設計
月8本でも、1本ごとに誰のどんな話かを決めて撮れば、平均8.7万回再生は狙えます。本数を増やすことより、伸びる型を見つけて繰り返すほうが先です。

3. SNSの前に、受け皿を整える
予約導線が分かりづらい、予約ページにつながっていない、という状態では、どれだけ再生されても予約には変わりません。発信を始める前に、見た人がそのまま予約できる状態になっているかを確認します。

観光客を相手にしたアカウントの立ち上げ方は観光・自治体のSNS運用代行に、一人称視点での撮り方は観光・自治体のPOV動画制作にまとめています。予約ページまでの計測や、予約後のLINEでの再来店まで含めて設計する場合はマーケティング総合支援をご覧ください。

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「広告費をかけずに予約を増やしたい」「SNSは始めたが予約につながっていない」という体験型の店舗の方は、お気軽にご相談ください。誰の、どんな話を届けるかの設計から、御社の店舗に置き換えてご説明します。

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